こんにちは、安田です。
札幌は雨。
9月に入ってもう10日、そろそろ空気が秋模様ですね。
秋は胸がキュンキュンと苦しくなるような感覚がありますが、
まぁそんなことはさておき、先日の契約書における署名と印鑑のお話の補足をば。
①署名捺印と記名押印の効力についての補足
先日、このように記載させていただきました。
なお、効力の強さはおおよそ以下の通りです。
1.署名捺印(+住所)
2.署名のみ(+住所)
3.記名押印(+住所)
4.記名のみ(+住所)←これは正式な効力とは認められません
「効力の強さ」というと語弊があるかもしれません。
というのは、「1.署名捺印」「2.署名のみ」「3.記名押印」も、
どれも効力的には有効であるからです。
(「4.記名のみ」は無効です。
これが有効なら、誰でもPCとプリンターで契約書が簡単に偽造できてしまいます!)
法律の根拠としては、
商法 第32条
この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる。
とありますので、
A:基本的には「署名」があればOK ですが
B:「記名+押印」でも署名と同様の効果にしますよ
ということです、
(※先日のおさらいをすると、「署名=自筆サインによる記述」「記名=スタンプやプリンター印刷などの自筆以外の氏名の記述」です。)
では、1~3はどれも有効ですが、なぜその中にあえて優劣をつけたのか?
それは、以下のような理由からです。
その1:「署名のみ=記名+押印」
署名のみは、記名+押印と同じとみなされるので、
署名のみでもいいところに、加えて押印をすることは
意思表示としての信用力を増すことになります。
その2:盗まれる心配のない筆跡
ハンコは盗まれて勝手に押されるという可能性が無きにしもあらずですが、
筆跡が盗まれることはありません。
(似せることは可能と思われるかもしれませんが、
科学的に検証すればバレてしまうことです。)
よって、押印よりも署名の方が、
何かあったときに、本人の意思であったことを立証しやすいのです。
ざっくり言うと、このような感じになっております。
まとめ
ということで、
・「1.署名捺印」「2.署名のみ」「3.記名押印」は全て有効
・「4.記名のみ」は無効
・有効である限り効力の優劣は無い
・しかし、本人による契約であることを立証しようとしたときの難易度が「1.署名捺印」「2.署名のみ」「3.記名押印」の順で容易である
(ただし、筆跡鑑定などはお金と時間がかかるので、押印については「実印による押印+印鑑証明書」をセットでもらうことが望ましい。)
以上、契約書のお話の補足でした。
お金の貸し借りや、ソフトウェアの利用許諾、離婚に関する協議書、相続のときに出てくる遺産分割に関する協議書など、行政書士が専門家として関われる契約書はたくさんあります。
損しない契約書を作るためにも、
ぜひともお気軽にお声がけ下さいませ。
(結局宣伝でした。)


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